令和2年2月定例会/代表質問・一般質問
令和2年の幕開け。干支は子年で、私は4回目の”年人”(どうも年男、年女という言い方に違和感がありまして)を迎えました。
沖縄が日本に復帰した年に生まれ「復帰っ子」と呼ばれた私達は今年、48歳になり、沖縄日本復帰50年まであと2年となります。
復帰後の歩みを振り返り、沖縄の将来を見据え行動する責任極まる世代。
健やかにして転ばぬよう、しっかりと精進してまいる所存です。
その令和2年の第1回定例会が2月12日に開会しました。会期は3月18日までの36日間。
令和2年度の一般会計予算は、過去最大規模の1,575億9,700万円。
公契約条例や文化芸術基本条例、議会が議決事件としている都市計画マスタープランなどの議案が上程され、いつもに増して盛りだくさんの定例会でした。
(代表質問、一般質問等の通告は下記※4)
※1
公契約条例は、私も一期目より、指定管理者制度など民間活力を活かした行政サービスの向上と費用の抑制を両立するアウトソーシングを進める中で、労働環境を確保する条件として、提言してきました。
議案では、賃金の下限額の設定条文がなく、実効性のない理念条例になる懸念から質問をしましたが、有識者による審議会の中で、寧ろ労働団体から、下限額の規定を盛り込まないよう要望があったとのことでした。
下限額の設定により、提出書類が煩雑になることへの懸念が、その主な理由のようですが、他都市の事例から、手続きの簡素化と下限額の設定、つまり地域の最低賃金価格よりも高く下限を設定するとこは、両立し得ることです。
今回は、やむを得ず議案を了としましたが、今後、同条例の効果などを経過をみて、さらに他都市の調査研究をした上で、必要であれば改正することを求めるにとどめました。
今後、実施後の動向に注視したいと思います。
※2
都市計画マスタープラン改定にあたり、私は、昨年8月に都市建設環境常任委員会の委員長に就任した際、所管委員長としてしっかり議会審議する立場を明確にするため、市側の機関である都市計画審議会を辞任致しました。
都市計画マスタープランについての勉強会や、所管委員会以外の議員にも同席を認めた調査、議会からの市への提言など約1年を超えた取り組みを経て、正式に議案として審査を行いました。
結論として、議案の通り全会一致で可決しました。
今回の審議には、反省点も多々ありますが、この都市計画マスタープラン改定の審議を終了したことで、那覇市議会基本条例を基に取り決めている、議会も責任をもつため議決事件としている5つの計画全ての審議を一通り終えました。
議会として議決事件とすべき計画の適正について、また、調査および審議のあり方について、検証しレベルアップしていきたいところです。
※3
定例会中に議決した意見書・決議は次の通りです。
意見書案第1号 米海軍MH60ヘリコプターの事故に関する意見書及び抗議決議(2月12日原案可決)
意見書案第2号 首里城の早期再建と御茶屋御殿、中城御殿、円覚寺など周辺の戦災文化財の一体となった復元を求める意見書(3月4日原案可決)
意見書案第3号 新型コロナウイルス感染症拡大の防止と経済、雇用、生活への対策の強化に関する意見書(3月18日原案可決)
意見書案第4号 相次ぐ米軍機の落下物事故に関する意見書及び抗議決議(3月18日原案可決)
意見書案第5号 本土と沖縄の医療格差の是正を求める意見書(3月18日原案可決)
意見書等文は、こちらから
那覇市議会令和2年2月定例会意見書・決議
◎意見書案第5号「本土と沖縄の医療格差の是正を求める意見書」は、心臓移植の患者と家族を支える芭蕉の会が提出したもので、沖縄県内では対応できない心臓移植手術を東京など県外で受ける場合にかかる滞在費などの費用を一部補助する支援制度を沖縄県でもうけるよう、市議会から意見書を出すことを求める内容でした。
渡米心臓移植を必要とする沖縄の子の支援に携わった経緯から、私も、新崎進也那覇市議と共に、陳情のお手伝いをさせて頂きました。(一般質問に関連)
同会の安里猛会長は元宜野湾市長で、現職の時に心臓病で倒れ移植をした経験から、様々課題の中から政治で支援できることがあることを実感し、琉球大学医学病院の先生方とともに活動を始めたそうです。
心臓移植など殆どの臓器移植は、現在のとところ沖縄県内では手術を受けられず、県外で移植、療養するなど、多大な経費がかかります。
本人の渡航費など保険を充てられるものも増えてきましたが、また、経済的な負担を理由に、移植手術を諦めざるを得ない方々がいらっしゃるのが現状です。
経済的な事情でつなげる命を失うことがあってはなりません。
那覇市議会では、この陳情を全会一致で可決。他の市町村議会でも採択が相次ぎました。
県議会でも、請願を採択。県は、心臓病に限らず、県内で対応できない全ての移植手術への支援制度創設に向け、研究していくとのことです。
島嶼県沖縄県特有の課題の一つですが、私の理事を務める日本島嶼学会の「島の医療を考える研究会」でもこのテーマを取り上げ、全国で同様な課題を抱える地域の医療体制の確立と支援について、提起していく所存です。
※4
無所属の会代表質問は19日のラスト。私の一般質問は20日の2番目。
会期日程などはこちらから
那覇市議会ウェブサイト
質問等通告は、次の通りです。
■代表質問(2月19日)
1.市長の政治姿勢について
2020(令和2)年度施政方針の「一人ひとりの多様な個性や立場を尊重し認め合う、寛容な社会を築」く、具体的な施策展開を問う。
2.公契約条例について
那覇市公契約条例案について、以下を問う。
(1) 同条例案を理念型とした理由
(2) 平成30年4月に施行された「沖縄県の契約に関する条例」の効果を、どのように認識しているか
(3) 「適正な労働環境の確保」を、市は、具体的にどのように保障するのか
3.那覇市のまちづくりビジョンについて
市内の空き地、空き家の現状と今後の見通し、都市計画マスタープラン等への反映について問う。
4.戦略的な財政運営について
(1)戦略的な財政運営について、市の取り組みを問う
(2)公共債などの債券運用の現状と見解を問う
(3)財政課と会計管理者との連携を問う
□一般質問(2月20日)
1.市政における専門的知見の活用について
那覇市は東京大学地域未来社会連携研究機構との連携協定を去る1月31日に締結した。
市ではこれまで、沖縄大学との包括連携協力に関する協定を平成27年2月に締結するなど、大学等との協定を結んでいる。
大学等との協定の目的と具体的な取り組みを問う
2.人権啓発及び人権教育について
国によるハンセン病患者の隔離政策によって家族も差別を受けたとして家族らが国に損害賠償を求めた訴訟で、国は責任を認め、家族への補償とハンセン病にかかる偏見差別の解消に向けた取り組みを進めている。
本市のハンセン病への偏見差別解消の取り組みを問う
3.命のバトンをつなぐ支援について
心臓移植を必要とする患者への支援について、以下を問う
(1) 現状と課題の認識
(2) 本市及び県内の医療体制と支援の取り組み
◇議案に対する質疑
1.議案第15号那覇市文化芸術基本条例制定について
同条例案につき、以下を問う
(1)「文化芸術」の範囲
(2)文化芸術における「社会包摂の機能」について、本市の考え方と条例案への反映を問う
2.議案第37号令和2年度那覇市一般会計予算
(1)同予算案中、沖縄振興特別推進交付金を活用する事業数と総額を問う。また、その中で、新規の事業数と総額を問う
(2)同予算案中、経済観光部関係分について以下を問う
①企業立地促進奨励助成事業及び誘致活動サポート事業の、定着企業数等のこれまでの成果と課題
②中小企業事業者の県外・海外向け販路拡大支援事業及び市内企業経営基盤強化事業の成果と課題
③那覇市地域おこし企業人事業の成果と課題
④「伝統工芸館運営事業等」の現状と課題
⑤「小中学生キャリア教育支援」事業の内容詳細
(3)那覇市協働によるまちづくり推進基金のこれまでの推移と活用成果を問う