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お知らせ

沖縄自治研講座「請願・陳情を考える」

沖縄自治研究会の講座「請願・陳情を考える」が10月13日に開かれ、
私もパネルディスカッションでパネル参加し、那覇市議会の状況報告などお話しさせて頂きました。

請願、陳情の法的な位置づけ、県や町村の状況もわかり、たいへん有意義な講座でした。

沖縄自治研究会では今後、この取り組みで県議会等に請願・陳情を出す予定とのこと。
今後の展開と市民への波及効果が楽しみです。

当日のプログラムは次の通り。

日時:10月13日(土)9:30~12:30
場所: 那覇赤十字病院 会議室 

プログラム:
 9:30-10:15 講義「請願・陳情の意義を考える」島袋純 琉球大学教授

 10:20-10:50 講演「沖縄県内地方議会における陳情・請願の取扱概観」
  沖縄県町村議会議長会・石垣安秀事務局長

11:00-12:15 パネルディスカッション「地方議会の陳情・請願への対応の実態」
            
パネリスト: 喜納昌春・沖縄県議会議長 
        嘉陽安昭・沖縄県議会事務局長
        前泊美紀・那覇市議会議員
        新垣光栄・中城村議会議員
        石垣安秀・沖縄県町村議会議長会事務局長
コーディネータ:島袋純
12:15-12:30 質疑応答


この講座参加の感想、FBでのやり取りへの応えも含めたtwitterでの「つぶやき」をそのまま転記します。
「ご質問のあった「請願と陳情」の違い」以下「請願と陳情の違い・結」は、私見。

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陳情に関する現課題は、議論のプロセスの透明化と採択後のフォローアップ。

沖縄県は、陳情は全国に比べ多いが、請願が少ない。「請願は議員を育てる」との喜納県議長の名言あり。「請願を増やそう」という話に。

「請願を増やそう」:市民の権利を最大限にいかすという意味で、教科書的にはそうだろうけど、実際としてどうか。確かに請願が増えれば議会内の状況も変わってくるだろう。どうかわるか。議員としては、そのへんから考えてみたい。

ご質問のあった「請願と陳情」の違い:簡単にいうと、いづれも課題の善処を求める訴えではあるが、「請願」は法的裏付けがある、「陳情」は法的裏付けがない。「請願」は議会に出す場合、議員の紹介が必要。「陳情」は議員紹介の必要なし。

「請願と陳情の違い」2:なので、請願の方が手間がかかるし、プロセスの透明性も高い。紹介議員の責任も重い。

「請願と陳情の違い」3:しかしながら、沖縄県では陳情が多く、那覇市議会でも年間50件余りの陳情の中で、請願は1、2件。なぜか。それは、議員の努力というより、実際の運営上の観点から、という理由。

「請願と陳情の違い」4:先に戻るが、請願の方が議会で重く扱われるようにみられるが、沖縄県内、少なくとも那覇市議会では、請願も陳情もほぼ同じ扱いをしている。陳情もほぼすべて、議会にあがり委員会負託で審査されている(審査の度合いは別として)。

「請願と陳情の違い」5:請願で紹介議員の名前が付くと「あの議員(会派・政党)からの請願なら通さない」との古い考えも、残念ながら議会内にある(うちだけじゃない)ので、中立性の観点から、陳情にするよう、多くの議員がすすめている。

「請願と陳情の違い」6:なので、一人の議員の抱える陳情ではなく議会全体の問題としてとらえてもらうため、私の場合、各会派へも説明したほうがいいとすすめている。

「請願と陳情の違い」7:とはいえ、その陳情の裏にどの議員がいるか、わかるのも事実。逆にそのことで、簡単に不採択にできない、との現状もある。なので、請願・陳情の使い道はケースバイケースで、訴えの実現という目的を考えれば、そのときどき・さまざま、では。

「請願と陳情の違い」結:なので、市民の権利の活用という意味では、請願が教科書的には望ましいが、実情として要望実現のためには、現在のところ、陳情のほうが有効なのでは、との感がある。勿論、正攻法で議会内その他の環境が変われば、どちらがいいかの事情・判断は変わってくる。

※以上。