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”龍柱”臨時会:概括

 那覇市若狭に15mの龍柱2基を建設する那覇福州友好都市交流シンボルづくり事業(総額約2億6千万円)の補正1億円増の予算案が審議された那覇市議会4月臨時会(27日開会)は5月8日、賛成多数可決の結果で幕を閉じました。
 この予算案可決にあたり、安全性確保や地域経済活性化に市が積極的に取り組むよう求める附帯決議も賛成多数で可決されました。

※附帯決議
http://www.gikai.city.naha.okinawa.jp/decision/2015-0427/ketugi01.html

 最終本会議では、私は反対の立場から討論しました。
 討論の概要は次のとおりです。

■議案第61号那覇市一般会計補正予算(第1号)「那覇福州友好都市交流シンボルづくり事業」の1億296万1千円の増額補正について、反対の立場から討論する。

 この事業については、平成24年12月に予算計上された当初から、沖縄振興特別推進交付金いわゆる一発交付金の活用の仕方について疑義があり、一貫して反対してきた。
 また、沖縄一括交付金は全国的にも注目され、沖縄の自立への本気度と力量が試されるものであり、使い方によっては、今後、沖縄県の国政での位置づけにも影響を及ぼす可能性があることは、これまで指摘したところである。
 さて、この臨時会では、龍柱が工期内に事業完了できなかったため、約1億の増額補正が計上され、審議の過程で、事業を中止、つまり完遂しない場合、交付金返還の可能性1億709万4千円と原状回復に数千万円がかかる見込みであることとが示されている。
 厳しい那覇市の財政の中、市民の負担をいかに抑えられるか、という議論もなされた。
そのような中で、私はやはり事業を中止する選択を決断することが望ましいと考える。
その理由として
 一括交付金の使途として疑義があるとのそもそも論に加え、那覇市の一般財源も交付金も公金に違いなく、市民・国民の大切な税金であることから考えるに、今回の約1億円の補正予算は可決すれば龍柱建設にのみ使うことになるが、交付金を返還する場合、国として子育てや福祉、東北復興などに使われる可能性にも託せるのではないか。
 さらに、本議案の審査過程で、いくつかの疑問が残った。
 ・設置石材に認められた「ヒビのようなもの」の調査結果がでておらず、確かな安全性が示されていない。
その2工事受注業者からの参考人意見聴取から
・工事が「変更に次ぐ変更」により遅れたことから、今後さらなる工期延長や予算の増額の可能性への懸念。
 ・「『風評被害』により下請け業者がみつからなかった」とのことから、今後の工事を入札にかけたときスムーズに適正な受注業者を決めることができるのかとの疑問。
民意を十分に反映できたのか
 ・同事業への市民の関心が高く、行政の詳しい説明等を求める「議会報告会」開催の陳情まで出ているにも関わらず、報告会を開催せず、議会の採決に至った。行政は市民に詳しい説明をし、議会は市民の意見を聞いた上で、議会としての結論を出すべきではなかったか。
 ・この議案について、城間市長は一度も議会で答えていない。市長は説明責任を果たしていない。

 本案件を、改めて一括交付金の意義や使途を考える機会としたい。
 以上、議案第61号那覇市一般会計補正予算(第1号)に反対する。
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■この“龍柱”臨時会の重要なポイントは、補正前の総事業費約2億6千万円中約2億円が交付されるはずであったが実際は1億円余りしか交付されず、市民負担が増大していることが審議の過程で明らかになったことです。
 このことを踏まえ、一括交付金のあり方について検証し再考する必要があります。
 また、議会運営では、全議員での現場視察や通告・時間制限なしの集中審議、本会議場での参考人招致、これらほとんどの審議が本会議場で行われインターネット中継されたことなど、これまでにない取り組みがあったことは、議会活性化の観点から良い経験でした。
 一方、補正増を抑えるため当面は龍柱のみ建設し周辺工事は新たな事業とする修正案が出されたものの、いかに市民負担をいかに抑えるかという議論が不十分であったこと、連日報道に載り市民の反響も大きい事業であるにも関わらずその多様な声が議会の議論に十分に反映されたかどうか、“市民不在”の議論になっていなかったかどうか、疑問が残ります。

 龍柱建設は今後、「ヒビのようなもの」の調査を工事再開までに行い、競争入札を経て7月に工事再開、12月に完成する予定です。
 課題・反省点を踏まえ、今後も経過を注視してまいります。

※本事業の調査・審議にあたっては、多くの皆さまよりご意見・ご協力を賜りました。
 誠にありがとうございます。